窓ガラスと省エネルギー~エコガラスの普及~

現在では、複層ガラスなどエコに配慮された様々なガラスが存在しています。
しかしひと昔前までは、窓ガラスといえばフロートガラスと言われる一般的な板ガラスが主流でした。
窓ガラスの多様化、とりわけエコガラスの普及の背景には、世界的な省エネルギー化の潮流が大きく関係しています。

1973年に起きた世界的な石油危機、いわゆるオイルショックを契機に、省エネルギー対策として住宅のエネルギー消費を抑える規制が始まりました。
住宅のエネルギー消費を考えるうえでは、全体の約30%以上を占める開口部が重要な部分となります。
1枚のガラスを使った窓は、その透明性ゆえに日射エネルギーも透過するため、室内に温もりという恩恵をもたらす半面、逆に冬や夜間には暖房エネルギーを簡単に外に逃がしてしまう性質があります。
夏の冷房のエネルギーも同様に窓ガラスを通して外部へ伝わり、エネルギー効率を下げてしまう原因となります。

住宅の省エネルギー化の動きは各国で広がり、住宅建設の断熱基準としても現れてくるようになります。
日本では、1980年に旧省エネルギー基準、1992年に新省エネルギー基準、1999年に次世代省エネルギー基準と建築基準法が改正されました。
これらの基準では、複層ガラスの使用が推奨され、さらに一部の地域では熱線の再放射が低い金属膜をコーティングしたLow-E複層ガラスも推奨されています。
さらに1997年の京都議定書でCO2排出量を抑制していくための目標値が定められことで、複層ガラスの普及の機運が高まっていきました。

しかしそれでも、日本における窓ガラスの省エネルギー化は各国と比べると非常に遅れていると言えます。
複層ガラスの普及状況を見ると、人口一人当たりの複層ガラスの使用量は、韓国が日本の6倍、アメリカが9倍、ドイツは10倍となっています。
その原因として大きいのは、日本の省エネ基準が欧米と違って強制力がないことです。
複層ガラスの使用についてもあくまでも「推奨」という表現に留まっています。こういった現状から、断熱基準の義務化を急ぐべきだとの意見も各方面から上がっています。

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